陶芸の魅力、陶芸の職人になるためには?陶芸に関する基礎知識
手作り特有の温かみのある器を作ることが出来る陶芸。個人の趣味から職人によっては高価なものまでさまざまな陶芸作品が見られます。その陶芸を学ぶ体験教室など趣味の範囲から本格的な職人になる方法まで陶芸に関する知識をご紹介しております。
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陶芸で作れるもの
ろくろを回して粘土を形作り自分の思ったものを作り出す陶芸。上手い人の工程を見ると一見簡単そうに見えますが実際は微妙な力加減が必要なものとなっております。
プロの職人になるには数年単位での修行が必要となり、その期間師匠からさまざまな技術を学ぶことになります。
ですが陶芸の体験自体は誰でもすることができ、子供むけの陶芸教室もあるほどです。
粘土遊びのような感覚で子供にも人気の陶芸、実際できあがった作品で食べるご飯などは特別おいしく感じられるでしょう。
ではその陶芸で作ることが出来るものは一体何があるか、こちらを紹介していきます。
やはり多くの陶芸教室でラインナップに上がっているのは食器類です。日常的に実際使える食器類を作り、それを使って食べるご飯は尚更美味しく感じられると好評です。
ご飯用のお茶碗やおかず用の大皿はもちろん、マグカップやビールジョッキなどコップ類、大きさも自由自在に決めることが出来ますので、自分好みの自分だけの一点ものの食器を製作できます。
陶芸では小物から大きな作品まで自由に制作でき、またパーツの沢山あるものなどにも挑戦できるようになっております。そのため難易度が高い4つのパーツを作る必要がある急須に挑戦する、そんな人もおられます。
長い時間をかけて作る上級者向けのものから子供でも馴染み易い簡単なものまで陶芸の可能性は幅広いものとなっております。
またろくろを回す工程だけではなく、特に人気なのが絵付けとなっておりこちらはお子様が自由に絵を描いてオリジナルデザインの食器を作れるため実用はもちろん記念品として大事においておきたい。割れない限りは半永久的に保管しておけるものなので思い出の品としても重宝されています。
食器類だけではなく洗面所を彩る洗面ボウル、一輪挿し、灰皿、筆立て、小物を入れておけるようなミニつぼなど作った後に実際毎日使用出来るものは体験教室でも自由に作ることが出来ます。
特に大人の方は日常生活で粘土をこねたりする機会もほぼないものです。お子様と一緒に手を泥だらけにして一つの作品を作る、そういう体験は貴重で楽しいものとなっておりますので是非体験を通して陶芸の楽しさを知ってください。
中には制作が難しい作品もありますが、出来上がった作品を見ると心地よい満足感を得られます。
陶芸の工程はどんなもの?
陶芸は一から手作りするものなのでより完成品を美しいものにするためにも工程を踏んで作り上げる必要があります。
最初は粘土を成型する工程から入るのですがこの成型方法も様々で、まずは手びねり、たまつくりと呼ばれる手法。
粘土の塊を手指でしっかり伸ばしながら成型します。成型に適していない形もありますが、例えば高さがあって成型に適していない形のものでも小さな湯飲みなどは十分に成型して作れます。
高さがある、大きなものはこの手びねりでは成型できませんがそういった作品を作りたいときに使われる手法がひも作りです。粘土をひも状に伸ばしてそれを巻き上げながら積み上げるので高さがあるものを成型したい、そんな時に必要な手法です。
次にたたら作り、これはお菓子作りのクッキーと似たような手法となっております。薄く延ばした粘土をタタラ板というもので切り取り、切り取った粘土を筒などに巻きつけることでマグカップなどの成型もできる手法となっております。
そしてよくテレビでも見ることが出来るろくろ、手に水をつけて粘土を成型する方法は陶芸と聞くと一番に思い浮かぶ手法でしょう。
メディアでもよく見られるために一見陶芸と聞くとろくろでの成型がイメージとして強い方も多いですが陶芸の成型方法も多岐にわたるものとなっております。
これら成型方法を用いてその後取っ手をつける、高台を削る、くっつけるなどの手法を用いて完成イメージの形へと成型していくのが陶芸です。
この成型が終われば乾燥と粘土に戻らないようにするための素焼き、お子様も出来る下絵付け、そして表面の光沢を出しガラス状のコーティングを施す工程となる釉薬かけ、最後に約1250度の高温で焼き上げる本焼きの工程が待っています。
これら工程を経て出来上がるのが、あのツヤのある陶器なのです。
これらの作業は絶妙なバランスで成り立っており、温度が違うだけで全然違う仕上がりになる陶器もあり、下絵付けで仕上がる絵は一つ一つ違うものとなります。
こうして出来上がった陶器が体験教室終了後に手元に渡る、あるいはプロの方の作品であれば出回るようになっております。
他にも焼成方法や焼成する窯の種類も様々なので、陶芸を行う場所によって行われている方法などは異なるでしょう。
クオリティの向上を目指せる技法
陶芸を何度も体験しているとクオリティもそれだけ向上していき、より良い作品を作ることが出来るようになっていきます。
こうしたクオリティの向上がとても楽しいのが物作りの特徴なのですが、一から全て自分の手で作り、機械に基本任せないため、処理がなんとなく甘い、そんな部分も出てくるものです。
陶芸の作品はそういった微細なところでもまるで表情が変わってきてしまうデリケートなものであり、そういったなんとなくの処理をなくすと思っているよりもさらに上のクオリティの作品を作りだすことが出来る場合もあるのです。
そのためもし陶芸教室に通って本格的に陶芸を行っている場合、そういった処理をしっかり覚えて作品に施すと実際の印象が全く異なるよりよい作品を作る足がかりとなるでしょう。
またクオリティの向上のために是非自分のものにしておきたい陶芸における技法も複数あります。
細かい技法は多いものですが、技法として掛分け、透彫り、掻き落し、型打ち成型などがあります。
いずれも難しい技法ですがこれらをもし施せるような腕となるとさらに陶芸が楽しくなり、自分の作品作りの選択肢がさらに広がります。
掛分けは釉薬の掛け方の技法であり、色の違う釉薬を掛け分けると釉薬によって違う色の焼き上がりとなります。この掛分けも釉薬の掛け方によって全く作品の表情が異なるようになりますので自分の思ったとおりにするには技術を要しますが今まで単純に描いてきただけの場合だと新しいこの技法はとても楽しいものとなります。
透彫りは器を切り抜くような形で仕上げることが出来ますので陶器にさらに軽やかな、華やかな印象を持たせることができ繊細な印象の作品を仕上げることが出来ます。
掻き落としは竹串などを用いてさらに細かく縁を切り落すことによってまるで大きな花のような印象がある器を作れる技法です。
型打ち成型は六角形などの器が作れる技法となっており、どっしりと品のある器が作れます。
いずれも技術を要しますがそれらを用いた器を作れるようになると丸、楕円、四角だけの器では出せなかった表情が出せるようになりますのでさらに作品作りが楽しいものとなるでしょう。
陶芸を趣味とし、自分の手でさらにクオリティの高い作品を作りたいとお考えの方はこれらの技法も用いると、さらに作品の幅が広がります。
陶芸家を目指す場合
陶芸は職人の世界であり、必要な資格などは一切ありません。
それらでははかれないデザインセンスや高い技術を持って、またそれらを作品にうつし認められるような実力主義の世界なのでより実践的な能力が求められる世界となっています。
陶芸家を目指すにあたり選択肢があるとするならば、まず専門学校。
美術系の大学、陶芸に関する技術を磨ける専門学校に行って陶芸に関する技術を学ぶことが出来ます。
次に実際陶芸家として活躍している方に弟子入りして働きながら学ぶ。特に陶芸が盛んな地域では人手を多く求めています。その現地の職人の方に弟子入りして陶芸を実践的に学ぶという方法も陶芸家に向けての道です。
選択肢を二つ挙げましたが基本これらどちらかではなく、両方を経て陶芸家を目指す人もいます。
もちろん気軽に受けられる陶芸教室などに通うのもよいのですが、それはあくまで先生が生徒に趣味の範囲で活用できる内容までしか教えてはくれません。
全国に陶芸家、窯元がいますがやはり陶芸が盛んな町で働くのが一番スムーズです。名産地ほど人手を求めており、募集が多いのです。
信楽焼が名産の滋賀県、美濃焼の山口県、有田焼佐賀県、久谷焼の石川県などあまり陶芸に詳しくない人でも知っているような名産地が特に人手を求めている傾向があります。
独立には険しい道のりがあり、技術などの修行は勿論ですがそれまでに培った十分な技術、デザインセンスはあってもそこから自分の窯作りなどさらに金銭的な負担ももちろん発生します。材料費などもかかりますのでプロの陶芸家になれるのはほんの一握りともいえるでしょう。
ですが日本で古くから愛されてきたこれら焼き物には言いようのない魅力があり、それを自分の手で作り世の中に出したい、そういった願望を持ち陶芸家を目指す方がいます。とても大変なことではありますが、それは陶芸家だけではなく自分の腕で独立する方共通の険しい道のりといわれています。
達成し夢をかなえるまで困難な道のりはありますが、それでも夢をかなえるための手段として、まず美術系の大学にいく、陶芸の専門学校に行く、窯元に弟子入りをして働きながら修行をする、これらの選択肢があります。
それらを経ていずれ自分の工房を持つことが出来ると憧れていた陶芸家になれた形ある成果となりますのでより嬉しいものとなるでしょう。
プレゼントにも役立つ
陶芸作品は基本一点もので、同じ形のものを作ったとしても些細なバランスで全く違う表情になるものばかりとなっております。
そのため二つと同じ作品はなく、その分よりオリジナリティが増すものとなっているのです。
そんな陶芸作品はプレゼントに最適であり、勿論贈り主が実際に制作したものを贈る。特にお子様がいる場合祖父母に渡すためのプレゼントで子供向けの陶芸体験に出向き作品を制作、その作品を贈るなどの例があります。
陶芸作品は幅広い年代の方々に受け入れられやすいものとなっておりますので適しているものだといわれています。
そしてその中でも陶芸体験をするためのチケットを贈る例もあり、結婚式などのプレゼントで二人だけの作品を作ってもらうために陶芸体験を贈るという例もあります。
二人で一緒に陶芸体験をし、その上で形に残る作品を作るのはそれ自体が思い出として残りやすく、またそのまま二人だけの一点もののアイテムとなります。
体験も出来上がった作品もプレゼントに最適なのが陶芸です。
特に大切な方へのプレゼントを自分の手で作るというのが一番のメリットといえるでしょう。
また陶芸で出来るものは基本実用品が多いので、実際毎日使っていただけるものはもちろん、そのままインテリアとして飾っておけるものまであります。
もらったのは良いけれど困る、という作品が少ないのも陶芸で出来上がる作品の特徴なので、プレゼントに向いています。
あまり着目されないプレゼントかもしれませんが、陶芸で出来上がる作品を親御様、祖父母様など大切な家族に。また友人の新しい門出を祝う結婚の際に自分達の思い出の作品を作ってもらう場自体の提供など陶芸でできることはたくさんあります。
陶芸ができる場もさまざまなので、勿論大人向けだけではなくお子様向けの陶芸体験ができるところもあり、貴重な体験や思い出自体をお子様にプレゼントできる機会もあります。
土を触っての物づくりの体験はなかなか出来ないものなので、作って贈る側も楽しい、そんなプレゼントを作ることができるでしょう。
ギフトのカタログ内でも陶芸体験について触れられていることもあります。